るるまゆの実験ノート

お家で細胞を飼っています。自宅の実験で使用しているノート、またその結果を公開していきます。shojinmeat project 所属。

20180526_ニワトリ胚の初代培養実験

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筋組織由来細胞(接眼20×, 対物7×, 20180528撮影)

 

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田中家の孵卵器で温めてもらった有精卵をいただき、初代培養にかけました。

あれやこれや実験考えていたんですが、結果から申し上げると...

ほぼ全滅しました(´;ω;`)ブワッ

 

原因として考えられるのは

1. ニワトリ胚が元々お亡くなりになっていた

2. 培地の調製をミスった

あたりですが、組織が丸まっているところを見ると浸透圧的な何かをやらかしちゃった(=2)なんじゃないかなー思います。

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ツラミ(´;ω;`)

 

ただ、オマケで用意した2枚のディッシュが元気でいてくれたので、継代実験は続けられそうです。ヨカター

■方法

解剖・組織単離後、コンタクトレンズ洗浄液※へ移しハサミとピンセットで細断。~10分置いた後、扇風機で遠心し、ペレットを培地で懸濁してディッシュにまいた。

※コラゲナーゼ代わりに使えるんじゃないか説を耳にしたので試用した。

■培養条件

ディッシュを入れるタッパーに5%重曹水50mLを入れた容器入れ、密閉。恒温装置の温度は35~37℃。

■結果

初代培養から2日後の観察像

筋組織+心臓由来細胞(20180528観察)

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筋組織由来細胞(20180528観察)

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コラゲナーゼの代わりになるかはまだ何とも言えませんが(そこまでバラバラになってない)、10分程度では毒性があまり出ないことがわかりました。

 

明日、明後日にでも継代しようかと思います!

20180429_継代培養実験

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実験ノートをサボっていたので猛省中です。

次はちゃんと書くぞ。

[継代中_20180429]

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トリプシン入れたあとのディッシュ↓

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ペロンと剥がれました。こんなの初めて見たんですけど..細胞同士の接着が強いのか?

顕微鏡で見るとこんな感じ↓

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トリプシン処理→新しい培地を入れて回収した筋、1、2、3を扇風機で遠心しました。

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回収後のディッシュ覗いてみたら、まだ結構細胞残ってた〜(*_*)トリプシン失活してるかな..

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[継代後] 20180502観察

ペレット

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上清

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本来は捨てるべき上清を播いてみたら、上清の方が細胞張り付いてるとこ多かった...遠心うまくできてなかった模様。

卵黄培地

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一面がなにかに覆われている。

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張り付いてる細胞と別の〜←こういうのは卵白の成分かな

20180503観察

ちゃんと記録がないので無意味と化した写真たちを淡々と貼ります(アホ

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光の入り方で見え方が全然違う↓

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20180504観察

この丸たちはなんだろう、

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分裂してる子がいる...かな?

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20180508観察

お亡くなりの図

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△っぽいのが生きてる細胞さんで、●っぽいのが死んじゃった子たちと思われる

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重曹CO2 でたくましく生きる奴等×3 (やや細め)

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20180509観察

卵黄培地、なんかギュッとしてる

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スイミーみたい

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生きてるんかなんなんか謎い

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20180512

卵黄続き

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通常培地の方でコンタミしました。真っ黄色!

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タッパーを開けた途端漂う異臭

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動画じゃないとわかりにくいんですが、ひと目でわかるくらい侵された感があります(ワサーっと大量の何かが漂っている)。

 

..と残念なシメですが。

 

どんだけ実験してデータ集めたとしても、記録がないとやってないも同然でして。

集めるデータをジャンクにしないように、記録管理をちゃんとしようと胸に刻みました。

(学生時代から通算して何度刻めば気が済むんだ、、)

初代培養後の細胞のはりつき(筋組織由来)

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継代直前(20180429撮影、1と2のディッシュが逆です..)

 

使用しているDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)にはフェノールレッドが含まれており、pHの変化で色が変化します。→低pH 黄色~高pH 赤紫色

細胞の代謝物(主に乳酸)がたまると、pH が酸性に傾くので培地が黄色っぽく見えます。=黄色になったら培地交換、もしくは新しいディッシュへの植え替えが必要という合図になります。

逆に、赤紫色になっている状態はpHが高くアルカリ性になり、至適pH6.8~7.2の範囲から出てしまっていることを示します。それを防ぐためにインキュベータ―内はCO2濃度を5%に維持する必要があります。

 

20180424に筋組織由来細胞の初代培養を始めました×4枚。

ディッシュの名前は筋・1・2・3(ネーミングセンスのなさは無視してほしい)

それぞれ初代培養から4日間経過後の観察結果を下に示します。

1と3は3日目で重曹CO2のタッパーに移しました。

zacmayu.hatenablog.com

 

いずれのディッシュも散り散りに張りついている部分と、組織ごとベタっと張りついた部分とがあり、後者は繊維状になっている様子が観察できます。

 

【CO2カルチャーパル】

筋(接眼20×、対物7×、20180428撮影

一細胞の区切りがわかるくらいパラパラしているゾーン

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「どこまでが1つの細胞やねん」的な密集ゾーン

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②(接眼20×、対物7×、20180428撮影)

パラパラゾーン

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密集ゾーン

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重曹CO2にお引越しした組】

①(接眼20×、対物7×、20180428撮影)

パラパラゾーン

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密集ゾーン

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これとか線維感すごい

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③(接眼20×、対物7×、20180428撮影)

ぱらぱらゾーン

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ワッサワッサゾーン

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シート状で全部は張りつけないままぺろーんとしちゃってるところ

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 いろんな表情があって美しいですね。かわいい。

重曹CO2使えそうな予感です。(入れ替えの頻度は要検討ですが。。)

20180426_重曹水実験(CO2カルチャーパル代替)

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細胞培養において、培地のpHを一定にするためにCO2濃度を5%に維持しておく必要があります。

これまでCO2カルチャーパル(360円/袋、1週間5%濃度維持可能)を使用していましたが、重曹水でも代替できるらしいので試してみることにしました。

参考:細胞培養なるほどQ&A (http://amzn.asia/bqTPPFz)

 

5%重曹水を調製します。

□精製水 100 mL

重曹   5 g

 

1.まず精製水50 mLを50 mLチューブで測り取ります。

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2.重曹を5 g測り取り、精製水が入っているチューブに加えます。

薬包紙的なもの(クッキングペーパー)をキッチンで見つけたので、こちらを利用して測ってみました。

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チューブで試薬を調整する際、粉類は先に入れてしまうと先端に固まって混ざりにくいので、後入れがお勧めです。(写真は後入れ、フタをしたらすぐに転倒混和で混ぜます)

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3.そこそこ溶けたところで、密閉できるタッパーに移します。(50mLには溶け切れないので、適当なところであきらめてください)

4.空になったチューブに精製水を50mL測り取り、タッパーに移します。

5.ふたをしっかりとしめて、ジャバジャバと振って混ぜます。

今回は溶け切って透明になるはずなので、それまで頑張ってジャバジャバします。

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気体が発生してフタがパンパンになってくるのがわかると思います。

フタが開きやすくなるので、ジャバジャバ中はふたを指でしっかり押さえましょう。

6.透明になったらフタをあけて、ディッシュを入れるためのタッパーに入れます。

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7.初代培養で播いたディッシュ3枚(筋肉由来細胞2枚、肝臓由来細胞1枚)をこちらに引っ越しさせました。

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 このタッパーの容量がでかい(3000 mL※)ので、100mLの重曹水で足りるか心配ですが、とりあえず1週間置いてみたいと思います。

 ※参考にした本ではこの半量くらいの容器を使用されていました。

 

20180424_ニワトリ胚の初代培養(N=2)

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自宅で発生させた12日齢ニワトリ胚の初代培養

培養条件:35~37℃、湿度約90%、CO2約5% (CO2カルチャーパル使用)

 

【結果】はりつきの評価

筋組織由来細胞の顕微鏡写真 (接眼20×、対物7×、20180425撮影)

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20180428撮影 

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4枚とも部分的に密な状態なので、本日継代予定。

 

肝臓由来細胞の顕微鏡写真(接眼20×、対物7×、20180425撮影)

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組織まわりははりついたが、全体的に浮いている細胞が多い。

 

有精卵発生成功報告

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手動でコロコロしていた有精卵ですが、無事発生してくれました。

受精率は100%(※開けた7個中7個)で、解剖にもっていけるレベルの卵は2/8個でした。

次買うなら4個入りで良さそうです。

 

【実験過程】

Day3で34℃と温度が低かったためP-BOXの目盛りを1目盛りあげたところ...Day4夕方には40℃超えに。

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39℃以上のような高い温度は発生が止まってしまう要因になる、との記載を読んだことがあったので諦めかけましたが、一応コロコロを続けることにしました。

「6時間に1回」が推奨らしいんですが、いかんせんめんどくさくて、Day5からは寝る前と朝起きた後の2回しか転卵しませんでした(怠惰)

 

Day12、お椀のようなくぼみがある器にラップをして、その上に卵を割り入れます。

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そこから胎児だけをディッシュ(※培地が入っている)に移し入れ、解剖を実施します。

※本来はPBSのような透明な液体の方がよいです。(なかったのでやむなく培地を使いました)

 

 

【まとめ】

■店舗で4℃に置かれている有精卵でも発生可能

■コロコロ(転卵)は寝る前と朝起きた後の2回でOK(多い方がベター)

 

【有精卵の孵化に必要なもの】

□恒温装置

□タッパー(ふたは密閉せず隙間をつくる)

□水入れ(湿度を50~60%)に保つ

□布(卵を置く)

 

【感想】

きれいに発生できた個体は、とにかく元気でした。腕を動かしたり首を動かしたり。。自分の操作に対して反応が返ってくるのが、かなり精神的につらかったです。

普段食べてるお肉はもっと明白に反応が返ってくる成体なんだから、屠殺場で働いている方々には頭が上がりません。

動物に痛みを与えずに細胞を採取するにはどんな方法があるのか、考えていきたいです。