細胞農業について知りたい!ときのお勧め5選
いかにもブログでありそうなタイトルですよね。一回使ってみたかったんです。
本日のShojinmeat Project勉強会でお話しした資料の共有です。
https://docs.google.com/presentation/d/1t5eVgWD1sFXIe_NUVrOONHMeg0ZANOa7ZCXmQclJqfo/edit#slide=id.p
海外のサイトばかりですが、どれも有用な情報がたくさん載っているサイトですので、ぜひ参考にしてみてください。
(日本語でこういった情報を発信する準備も進めています!)
◆THE GOOD FOOD INSTITUTE
動物性食品に代わる細胞農産物や、植物代替食品の普及に向けて活動するNPO法人。Twitterで最新の情報をフォローするのに◎
Good Food Institute(@GoodFoodInst)さん | Twitter
◆New Harvest
2004年に発足した細胞農業の先駆者的存在のNPO法人。毎年カンファレンスを開いており、今年は7月19、20日開催予定。
◆Rober Yaman
個人ブログですが、ものすごい情報量。
◆Cultured Meat Future Food Podcast
https://cleanmeatpodcast.com/episodes/category/podcast/
通勤・通学時のお供に。私はYoutubeで字幕自動生成させつつよく聴いてます。最新の業界動向について、当事者生の声が聴けるので面白いです。こちらはNew Harvest代表のIsha Datarの回↓
◆Golden
ありとあらゆる情報が網羅されています。教えてくれた山口くん、Special Thanks!
日本の団体、細胞農業協会については、またブログでも紹介します。
【コラム】植物肉と細胞肉 plant-based meat / cell-based meat
こんにちは、るるまゆです。
先月、BEYOND MEATが新規株式公開をして、巨額の資金調達をしていたのは記憶に新しいですね。
その後も順調なご様子。
世間で「人工肉」「代替肉」と呼ばれるものには、
植物由来の「plant-based meat」と、
細胞由来の(動物の細胞を培養して増やす)「cell-based meat」の2種類があります。
plant-based meat (植物肉) は、その名の通り植物から作っている (※) ので、ヴィーガンな民が食べられるほか、『お肉は好きなんだけど、健康も気にしたいな~』的な人や、畜産によって引き起こされる環境問題を考えている人なんかが好んで食べるお肉になるんだろうな、と予想されます。
上記のビヨンドミートや
インポッシブル・フーズが有名どころですね。
イスラエルでBeyond burgerを食べましたが、普通においしいです。言われず出されたら、肉だと思って食べられるレベル。
バーガーキングに正式メニューとして仲間入りも果たしたplant-based meatですが、価格帯が変わらないなら全然こっちでいい気がします。(日本上陸はまだみたいですね)
※こちらのPRODUCT DETAILにBeyond Meatの原材料が載っています。ドライイーストやイースト抽出液(酵母)は植物にあたるのか、という素朴な疑問。。
一方、cell-based meat (純肉、細胞肉、培養肉)は、牛だとか鶏だとかから目的の細胞を取ってきて、それを培養して増やすことで作るお肉です。細胞レベルで考えると、いま食べているお肉と実質的には同じもの。
世界中で見ると、cell-based meatの市場化を目指す企業は30を超えており、牛、鶏、豚といったいわゆる「お肉」から、マグロ、サーモン、エビ、等のシーフード、フォアグラや脂肪のような特定の部位に特化して、など多方面からアプローチされています。
肉からは外れますが、革製品を作ろうとしている企業なんかもあります。
こういった細胞培養の技術を用いてプロダクトを生産する方法は『細胞農業』と呼ばれ、今がまさに萌芽期であるように感じます。
日本ではShojinmeat projectがオープンソースで純肉についての開発・研究を進めていたり、そもそも純肉とはなんぞや?みたいなことを知ってもらうための活動をしています。(興味がある人はだれでも参加可能!)
そこからスピンアウトして立ち上がったインテグリカルチャーは、汎用大規模細胞培養システム「Culnet System」をコア技術に、大量培養の低コスト化に挑んでいます。
さてはて、それでは実際cell-based meatはどんな味がするのでしょうか?
過去の試食会の様子を見てみましょう。
世界初!2013年の試食会@London (Pr. Mark Post)
Memphis Meatsのミートボール(2016年1月)
JUSTのチキンナゲット(2017年8月)
youtu.be4'00"~、鶏(Ian)ちゃんが歩き回っている横で、その子の細胞から作ったチキンナゲットを食べています。笑
Shojinmeat projectの培養フォアグラ(2017年10月)
Youtubeを見ているとまだまだ試食会の様子がたくさん出てきます。ここ1,2年でプレーヤーがまたたくさん増えたので、味の改良も進み、今後もっと試食会の機会が増えてくるのではないでしょうか?
早く食べてみたいものですね!!
20180526_ニワトリ胚の初代培養実験
筋組織由来細胞(接眼20×, 対物7×, 20180528撮影)
田中家の孵卵器で温めてもらった有精卵をいただき、初代培養にかけました。
あれやこれや実験考えていたんですが、結果から申し上げると...
ほぼ全滅しました(´;ω;`)ブワッ
原因として考えられるのは
1. ニワトリ胚が元々お亡くなりになっていた
2. 培地の調製をミスった
あたりですが、組織が丸まっているところを見ると浸透圧的な何かをやらかしちゃった(=2)なんじゃないかなー思います。
ツラミ(´;ω;`)
ただ、オマケで用意した2枚のディッシュが元気でいてくれたので、継代実験は続けられそうです。ヨカター
■方法
解剖・組織単離後、コンタクトレンズ洗浄液※へ移しハサミとピンセットで細断。~10分置いた後、扇風機で遠心し、ペレットを培地で懸濁してディッシュにまいた。
※コラゲナーゼ代わりに使えるんじゃないか説を耳にしたので試用した。
■培養条件
ディッシュを入れるタッパーに5%重曹水50mLを入れた容器入れ、密閉。恒温装置の温度は35~37℃。
■結果
初代培養から2日後の観察像
筋組織+心臓由来細胞(20180528観察)
筋組織由来細胞(20180528観察)
コラゲナーゼの代わりになるかはまだ何とも言えませんが(そこまでバラバラになってない)、10分程度では毒性があまり出ないことがわかりました。
明日、明後日にでも継代しようかと思います!
20180429_継代培養実験
実験ノートをサボっていたので猛省中です。
次はちゃんと書くぞ。
[継代中_20180429]
トリプシン入れたあとのディッシュ↓
ペロンと剥がれました。こんなの初めて見たんですけど..細胞同士の接着が強いのか?
顕微鏡で見るとこんな感じ↓
トリプシン処理→新しい培地を入れて回収した筋、1、2、3を扇風機で遠心しました。
回収後のディッシュ覗いてみたら、まだ結構細胞残ってた〜(*_*)トリプシン失活してるかな..
[継代後] 20180502観察
ペレット
上清
本来は捨てるべき上清を播いてみたら、上清の方が細胞張り付いてるとこ多かった...遠心うまくできてなかった模様。
卵黄培地
一面がなにかに覆われている。
張り付いてる細胞と別の〜←こういうのは卵白の成分かな
20180503観察
ちゃんと記録がないので無意味と化した写真たちを淡々と貼ります(アホ
光の入り方で見え方が全然違う↓
20180504観察
この丸たちはなんだろう、
分裂してる子がいる...かな?
20180508観察
お亡くなりの図
△っぽいのが生きてる細胞さんで、●っぽいのが死んじゃった子たちと思われる
重曹CO2 でたくましく生きる奴等×3 (やや細め)
20180509観察
卵黄培地、なんかギュッとしてる
スイミーみたい
生きてるんかなんなんか謎い
20180512
卵黄続き
通常培地の方でコンタミしました。真っ黄色!
タッパーを開けた途端漂う異臭
動画じゃないとわかりにくいんですが、ひと目でわかるくらい侵された感があります(ワサーっと大量の何かが漂っている)。
..と残念なシメですが。
どんだけ実験してデータ集めたとしても、記録がないとやってないも同然でして。
集めるデータをジャンクにしないように、記録管理をちゃんとしようと胸に刻みました。
(学生時代から通算して何度刻めば気が済むんだ、、)
初代培養後の細胞のはりつき(筋組織由来)
継代直前(20180429撮影、1と2のディッシュが逆です..)
使用しているDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)にはフェノールレッドが含まれており、pHの変化で色が変化します。→低pH 黄色~高pH 赤紫色
細胞の代謝物(主に乳酸)がたまると、pH が酸性に傾くので培地が黄色っぽく見えます。=黄色になったら培地交換、もしくは新しいディッシュへの植え替えが必要という合図になります。
逆に、赤紫色になっている状態はpHが高くアルカリ性になり、至適pH6.8~7.2の範囲から出てしまっていることを示します。それを防ぐためにインキュベータ―内はCO2濃度を5%に維持する必要があります。
20180424に筋組織由来細胞の初代培養を始めました×4枚。
ディッシュの名前は筋・1・2・3(ネーミングセンスのなさは無視してほしい)
それぞれ初代培養から4日間経過後の観察結果を下に示します。
1と3は3日目で重曹CO2のタッパーに移しました。
いずれのディッシュも散り散りに張りついている部分と、組織ごとベタっと張りついた部分とがあり、後者は繊維状になっている様子が観察できます。
【CO2カルチャーパル】
筋(接眼20×、対物7×、20180428撮影)
一細胞の区切りがわかるくらいパラパラしているゾーン
「どこまでが1つの細胞やねん」的な密集ゾーン
②(接眼20×、対物7×、20180428撮影)
パラパラゾーン
密集ゾーン
【重曹CO2にお引越しした組】
①(接眼20×、対物7×、20180428撮影)
パラパラゾーン
密集ゾーン
これとか線維感すごい
③(接眼20×、対物7×、20180428撮影)
ぱらぱらゾーン
ワッサワッサゾーン
シート状で全部は張りつけないままぺろーんとしちゃってるところ
いろんな表情があって美しいですね。かわいい。
重曹CO2使えそうな予感です。(入れ替えの頻度は要検討ですが。。)
20180426_重曹水実験(CO2カルチャーパル代替)
細胞培養において、培地のpHを一定にするためにCO2濃度を5%に維持しておく必要があります。
これまでCO2カルチャーパル(360円/袋、1週間5%濃度維持可能)を使用していましたが、重曹水でも代替できるらしいので試してみることにしました。
参考:細胞培養なるほどQ&A (http://amzn.asia/bqTPPFz)
5%重曹水を調製します。
□精製水 100 mL
□重曹 5 g
1.まず精製水50 mLを50 mLチューブで測り取ります。
2.重曹を5 g測り取り、精製水が入っているチューブに加えます。
薬包紙的なもの(クッキングペーパー)をキッチンで見つけたので、こちらを利用して測ってみました。
チューブで試薬を調整する際、粉類は先に入れてしまうと先端に固まって混ざりにくいので、後入れがお勧めです。(写真は後入れ、フタをしたらすぐに転倒混和で混ぜます)
3.そこそこ溶けたところで、密閉できるタッパーに移します。(50mLには溶け切れないので、適当なところであきらめてください)
4.空になったチューブに精製水を50mL測り取り、タッパーに移します。
5.ふたをしっかりとしめて、ジャバジャバと振って混ぜます。
今回は溶け切って透明になるはずなので、それまで頑張ってジャバジャバします。
気体が発生してフタがパンパンになってくるのがわかると思います。
フタが開きやすくなるので、ジャバジャバ中はふたを指でしっかり押さえましょう。
6.透明になったらフタをあけて、ディッシュを入れるためのタッパーに入れます。
7.初代培養で播いたディッシュ3枚(筋肉由来細胞2枚、肝臓由来細胞1枚)をこちらに引っ越しさせました。
このタッパーの容量がでかい(3000 mL※)ので、100mLの重曹水で足りるか心配ですが、とりあえず1週間置いてみたいと思います。
※参考にした本ではこの半量くらいの容器を使用されていました。
20180424_ニワトリ胚の初代培養(N=2)
自宅で発生させた12日齢ニワトリ胚の初代培養
培養条件:35~37℃、湿度約90%、CO2約5% (CO2カルチャーパル使用)
【結果】はりつきの評価
筋組織由来細胞の顕微鏡写真 (接眼20×、対物7×、20180425撮影)
20180428撮影
4枚とも部分的に密な状態なので、本日継代予定。
肝臓由来細胞の顕微鏡写真(接眼20×、対物7×、20180425撮影)
組織まわりははりついたが、全体的に浮いている細胞が多い。